Misery

ミザリーって女性に捧げたラブソングだと思ってる人、あなた間違ってますよ

 

Misery ( Lennon / McCartney )
THE BEATLESのファーストアルバム “PLEASE PLEASE ME” の2曲目

C F G Am の4つのコードで構成されてるシンプルな曲。
曲は全編通してジョンとポールのユニゾンで、
“ミーザリー”って部分だけ3度でハモってます。

このユニゾンで歌うってのは意外と難しくて、
入り方や伸ばし方、音程の上げ方なんかはどうしてもずれてしまいますが、
ジョンとポールはやっぱり息が合ってますね。

何度も”ミザリー””マイ・ミザリー”って歌うもんですから、
僕はてっきり愛しのミザリーへのラブソングだと思ってましたよ。
その間違いに気づいた時にはホントに驚きましたよ。
“真逆やん!”ってね。

Misery = 不幸
って意味で、
歌詞の雰囲気は、、、
(ホントにあくまで雰囲気です)

世界が僕に冷たくあたるんだ ひどいよ

涙なんて見せたことないけど
世の中が僕につらくあたるからみじめな気持ちになるよ
彼女が去って行ってしまったんだ
もう会うことはないんだろうなって考えたら
ほんと嫌になるよ ああ、不幸だなぁ

2人の思い出はどんなささいなことだって忘れないよ
なのに 分かってもらえないんだろうな
僕には彼女しかいないってこと

彼女を返しておくれよ
彼女がいないとダメなんだ

ああ、ひどいよ
惨めだよ
不幸だよ

おいおい、この男大丈夫か!?

さわやかなラブソングかと思いきや、
どん底の男の未練たらたらの歌でした。

ビートルズの初期の頃、特にジョンの歌詞には、
こういう男の弱い部分を歌ってる歌詞が多いですね。
また、その弱さを隠すために虚勢を張ってる感じの歌詞も多いです。
This Boy“”Yes It Is“”Tell Me Why“なんかは男の弱い面を歌ってますし、
You Can’t Do That“なんかは虚勢の部分を歌ってますよね。

この曲はバンドの一発録りの後に、ジョージ・マーティンがピアノを重ねています。
イントロとサビで印象的なピアノが出て来ますが、
このピアノはジョージ・マーティンの十八番、”ワウンドアップ”という手法を使います。
どういうことかと言いますと、
“テープ速度を半分に落として録音し、再生する時には元のテンポに戻す。”
そうすることで違った雰囲気で聴こえるってことです。
(録音時には1オクターブ下で演奏する必要があります)

カセットテープ世代の方は感覚的に分かっていただけるかと思いますが、
テープが伸びてきたら音が低くなったり、
再生しながら早送りしたら高い音になったり、
あれを意図的に起こさせて特殊効果を生むってことですね。

“帰って来たヨッパライ”なんかはこれのボーカルバージョンですね。

多分、”Misery“の曲を聴いてもそこまですごい効果か?って感じもあるかと思いますが、
この”テープ速度を変えて録音する””テープ速度を変えて再生する”ということをビートルズが覚えたってことがすごい革命へと繋がります。
とは言え、このオーバーダブはビートルズのメンバー不在の中で行われたとのことなので、
ビートルズはスタジオワークの中で”ワウンドアップ”やその他のレコーディングテクニックを覚えて行ったのでしょう。

曲のキーは C or Am なのですが、
イントロは先にも述べたピアノとギターの分散コードFからはじまります。
そしてコードが響いた後一瞬溜めてジョンとポールが歌い始めるのですが、
その歌い出しが”ミ”の音からです。
最初のコードFの構成音が”ファ ラ ド”なので歌い出しは構成音とは違う音から歌い始めることになります。
そんなに難しい音ではないですけど、気を抜くとはずかしい歌い出しになってしまうので注意しましょう。

サビ(0:39〜)の
I’ll remember all the little things we’ve done.“の後に入ってくるピアノのフレーズ、
単純なフレーズなんですが、かなりの効果を上げてると思います。
リハーサルの段階(ピアノなし)からギターでフレーズ弾いてるけど、
ジョージ・ハリスンのぎこちなさと言い、クラシックっぽいフレーズと言い、
後でピアノを重ねることを前提に考えたジョージ・マーティンのアイデアかな?

曲のラストで
Misery〜” を繰り返しては、ジョンが間にアドリブを入れる部分。
自分たちの持ち味を分かっててパフォーマンスしてる感じがします。

1回目(1:35〜) “ミーザリー オーオォーオ”
2回目(1:39〜) “ミーザリー ウーウゥウー”
3回目(1:42〜) “ミーザリー ララララララ”

1回目の”オーオォーオ”は特にジョンのかっこいいフェイクで、
初期ではこのかっこいいフェイク・ハミングがいっぱい聴けます。
Ticket To Ride“や”I Fell Fine“なんかはめちゃくちゃかっこいいですね。

2回目の裏声の”ウーウゥウー”や3回目の裏声の”ララララララ”に関しては、
ビートルズが多用する裏声の感じが良く出ています。
3回目の”ララララララ”の裏声は、コーラスなんかでも良く使ってますね。

このジョンのフェイクの感じ、
ビートルズの裏声の感じ、裏声でラララとコーラスする感じ。
これらを真似した・パクった人は腐るほどいてることでしょう。
もちろん私もその中の一人です。


Misery リハーサル

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