ポールのカウントではじまるファーストアルバムのオープニングナンバー
I Saw Her Standing There ( Lennon / McCartney )
THE BEATLESのファーストアルバム “PLEASE PLEASE ME” のオープニングナンバー
主にポールの曲で、ジョンは冒頭の歌詞を手伝っただけと思われます。
“Well, she was just seventeen“の後の歌詞
“You know what I mean.“はジョンのアドバイス。
もともとは”never been a beauty queen“だったそうです。
ポールはこれによってぐっと意味が深くなった みたいなことを言ってた気がします。
曲は歌詞の通りご機嫌なダンスナンバーです。
歌詞の内容を簡単に書かせてもらいますと、
彼女を一目見た時から もう他の女の子とはダンスできなくなったよ
彼女だって僕を見てたし 他の男とダンスしようとしなかったから
ピンときたよ
僕はきっと彼女に惚れちゃうだろなって
だから僕は勇気を出して彼女の手を握りしめたんだ
そして夜通し2人で踊ったんだ
抱き合って踊ったんだ
思った通り 僕は彼女に惚れちゃったよ
ん?
なんかちょっとかっこ悪い歌詞みたいになってしまってるぞ。。。
ポールすまぬ。
いや、英語だとちゃんと韻を踏んだり響きが良かったりもあるんで、
まあただの雰囲気だと思ってください。
曲は元気の良いポールの”ワン、ツー、スリー、フォー”ってカウントからはじまります。
ライブ映像を観てもアンソロジーのCDなんかを聞いてても、
THE BEATLESはポールがカウントを取っていることが多いです。
やはりバンドの演奏面のリーダーはポールだったのでしょう。
曲に出てくるコードは、
Eのスリーコード + C
ビートルズの感覚としては多分、
E7 A7 B7 C
で演奏してたと思います。
いや、ビートルズのことだからCだってC7だったかもね。
カウント後からすぐに出てくるベースの8分で刻むリフ。
ミ ミ ♯ソ ミ シ ミ ラ ♯ソ
このフレーズが曲中に色んなコードに展開して出て来ます。
(コードEの時)ミ ミ ♯ソ ミ シ ミ ラ ♯ソ (コードAの時)ラ ラ ♯ド ラ ミ ラ レ ♯ド (たまにラ ラ ♯ド ラ ミ ラ ミ レになってる気もする) (コードBの時)シ シ ♯レ ♯ファ シ ミ ♯レ
スリーコードのロックのお手本のようなベースラインですね。
この効果は抜群でこのベースラインだけでも踊れそうなもんです。
そら彼女だって他の男とダンスをしないで僕と踊っちゃうって話なんです。
サビではジョンの下ハモが入って
|E|E/G#|A|C|
ってコード進行になります。
2個目の|E/G#|は「E on G#」と書くこともあって、
読み方は”イー オン ジーシャープ” もしくは “ジーシャープ分のイー”とか言います。
意味は、ギターはEのコードを弾いてベースはG#の音を弾くってことです。
ピアノだと右手が ミ♯ソシ の和音で、左手が♯ソ みたいな第二転回系みたいな感じです。(別に和音の順番に細かい決まりはありません)
要するに、そんな大したことじゃないってことです。
大したことなのは、4つ目のコード”C”です。
この曲で唯一スリーコードのE A B以外のコードです。
こういうコードを本当にうまく使ったのがビートルズです。
このコードが何なのか。
説明すれば長くなるし、私ごときじゃ説明しきれないので無謀なことはしませんが、
簡単に言うと、、、
ロックなんです!!
ロックって便利な言葉だな。。。
歌詞で言えば、
“So how could I dance with another“
の後の
“Oh, when I“
の部分がコード”C”の瞬間なんですが、
一瞬曲がねじれたって言うかひねった感じになりません?
ならなかったら僕の勘違いなんで申し訳ありませんでした。
ちなみにクラシック畑で育ってきた人の中にはこういう音が気持ち悪く聴こえる人がいます。
そういう人達には本当に同情します。
Cメロって言うの?大サビって言うの?
0:55辺りからの、
”Well my heart went boom
When I crossed that room
And I held her hand in mine”
の最後の”mine“を裏声で”ま〜い〜〜〜〜〜〜〜”って伸ばし切った後に次のAメロを歌うと倒れそうになるので要注意です。
音源では別録りしてるっぽいのでそのまま再現しようと思ったら、
ざっと計算したところ、肺活量8000ぐらいは必要になるかと思います。
それにしても書いてて思ったのですが、
イントロ→Aメロ→サビ→Aメロ→サビ
と来て、次の大サビに入る瞬間でまだ55秒しか経ってないんですね。
昔の曲は短かったとは言え、
日常の時間と音楽の時間の差に驚きますね。
これだけ密度の濃い時間というのは本当に音楽の魔法だと思います。
この曲はビートルズ時代もライブで多く演奏されてたようですし、
解散後もポールはライブで演奏しています。
ライブでのポールのすごいところは、ほとんど手元を見ずに前を向いてパフォーマンスすることです。
それは、ベースでもギターでもピアノでも。
ノールックで演奏するのは普通の演奏の何倍も難しいことなんです。
それにこの曲だとひたすら左手も右手もずっと動かしてますからね。
このフレーズを弾きながら歌うだけでも結構難しいことなんですよ。
ビートルズのメンバーはみんな基本的にはノールックなのですが、
そこに関してポールはズバ抜けてすごいと思います。
みなさん、前を向いて演奏しましょう。
Paul McCartney – I Saw Her Standing There (Live at the Cavern Club – 1999)
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