Yes It Is

ジョン「”This Boy”を書き直そうと作ったが全くうまくいかなかった」

The Beatles – Yes It Is (2009 Stereo Remaster)


 

Yes It Is (Lennon/McCartney)
THE BEATLESの9枚目のシングル”Ticket To Ride / Yes It Is”のB面
THE BEATLESのコンピレ−ションアルバム”PAST MASTERS VOL.1″の17曲目

三声のコーラスがとても綺麗な曲で、ビートルズの初期コーラス・ソングと言えば”This Boy“と、この”Yes It Is“なんじゃないでしょうか。
この曲は実質ジョンの作品で、リード・ボーカルもジョンが担当。
ポールは曲の完成に手助けしただけとのこと。

しかしジョンは”Yes It Is“に関して、”This Boy“を書き直そうと作ったが全くうまくいかなかった。と発言していて、
自身の曲で全く好きでない曲の1曲にこの曲を挙げています。

でもポールは”素晴らしい曲”と評価していて、大勢のビートルズ・ファンはポールと同意見なんじゃないでしょうか?
まあ、確かに”This Boy“と似てますけど、良い曲、良い演奏ですよね。

この曲で、ジョージ・ハリスンは”ペダル・トーン・ギター”という奏法を使ってるとのことですが、
“ペダル・トーン・ギター”ってナニ??
ボリュームペダルを使ってるってこと?
あんまりそんな言い方しないけどな。。。
要は、ボリュームを足下でコントロールしてるってことかな。

さて、相変わらず見事なコーラスワークを聴かせてくれる曲ですが、
コード進行は”This Boy“よりも練られていて、
Aメロ(0:04〜)が、

|E A |F♯m B7 |
|E A |D B7 |

(※ 12/8で書かせてもらってます)
と4小節目でDのコードが出て来ます。
All My Loving“でも使われたキーがEの時のDのコード。
歌詞で言えば、”Remember what I said tonight “の”トゥナーーーーイ”と伸ばすところ。(0:16ぐらい)
ここで曲が広がる感じって言うんでしょうか?
明らかに他のコードとは違う感じの響きがしますよね。

その後にも、(0:24ぐらい)にまたDが出て来ます。

|C#m E/B |A D |

歌詞で言ったら”and what’s more“の部分。

これは偶然とかなんとなくとかじゃなくて、
明らかに意識的にDを使ってると思います。

そしてサビ(01:00〜)ではキーがEなのにBmからはじまります。

|Bm E |A F♯m |

Eのスリーコードは、E A B。
BmはEから見たら5度(ドミナント)のマイナー。
5度(ドミナント)のマイナーからサビが始まる形と言えば、
From Me To You“”I Want To Hold Your Hand“で使われてますね。

ポール「“フロム ミー トゥ ユー” ができた時は嬉しかったね。特にサビのコードが斬新だった。この転調を思いついた時、やったと思ったね。」〜 THE BEATLES ANTHOLOGY 〜より

ポールが「やった」と思ったコードです。
そして”Yes It Is“のサビと”From Me To You“のサビのコード進行は、キーが違いますが、
Ⅴm → Ⅰ → Ⅳ と同じ動きをします。”I Want To Hold Your Hand“ではその次のコードも同じです。
そしてサビの終わりで Ⅱ → Ⅴ(ツーファイブ) を経由して元のキーに戻るのも”From Me To You“と同じです。

AメロではDが、サビではBmが出てくるわけですが、
コードと音階でまとめると、

キーEの音階 ”ミ ♯ファ ♯ソ ラ シ ♯ド ♯レ”
Eのスリーコードは E A B

E = “ミ ♯ソ シ”
A = “ラ ♯ド ミ”
B = “シ ♯レ ♯ファ”

D = “レ #ファ ラ”
Bm = “シ レ ファ♯”

DとBmは、構成音が似てるので代わりに使える(代理コード)とされているのですが、
どちらも”レ”の音が出て来ます。
Eの音階は本来、”♯レ”なのですが”レ”になっています。

この”レ”の音はEから見たらセブンスの音でE7の構成音に含まれる音です。
E7 = “ミ ♯ソ シ レ”

ジョンとポールの発想が、このセブンスの音から来てるのか、
スリーコードのBをマイナーにして、BmからDをイメージしたのか分かりませんが、
確実にこのコードの関係性と、セブンスの音を意識し理解して使ってると思います。

ビートルズには一風変わったコード進行が出てくるのですが、
それはテキトーでも偶然でもなく、スリーコードとセブンスからの発想だったのではないでしょうか。

 

Yes It Is“にはもう1カ所”I Want To Hold Your Hand“で使ったコード展開が出て来ます。
それはエンディングの”Yes It is true“と繰り返す最後から2回目の”Trueーー“と伸ばすところ(02:30あたり)。
少し手前からコード進行を書かせてもらいますと、

(02:27〜)
|C#m E |G♯7 A B7| E |

G♯7というコードが出て来ます。
キーEから見たらⅢのメジャーのコード。

キーEの音階 ”ミ ♯ファ ♯ソ ラ シ ♯ド ♯レ”
G♯7 = “♯ソ ド ♯レ ♯ファ”

本来”シ”だった音がシャープして”ド”になっています。(シとドの間には黒鍵がないので、♯シ=ド )
このコード自体は珍しくないですし、使い方も至って普通なのですが、
曲のエンディングで、ほんの少し展開させて終わるということをビートルズはよくやります。
そしてこのG♯7と同じコード展開で、同じくタイトルを繰り返して歌うのが”I Want To Hold Your Hand“です。
I Want To Hold Your Hand“と繰り替えして歌う、これまた最後から2回目です(02:14辺り)。
(“I Want To Hold Your Hand”はキーがG(ト長調)なので、B7(シ ♯レ ♯ファ)のコード。”レ”が”♯レ”に変化してます)

このYouTubeだと(02:13辺り)”I Want To Hold Your Hand〜”の”Ha—–nd”と伸ばすところです。
The Beatles – I Want To Hold your Hand [HD]

もう一度Yes It Isを貼っておきますが、こちらは(02:31辺り)”Yes It Is True—“の”True—“と伸ばすところです。
The Beatles – Yes It Is (2009 Stereo Remaster)

 

こうしたことを見ていくと、
Yes It Is“では、ジョンは”This Boy“を書き直そうとしてうまくいかなかったと発言していますが、
From Me To You“や”I Want To Hold Your Hand“や”All My loving“などでの成功例を1曲にまとめて、”This Boy“風に仕上げようと企んでいたんじゃないでしょうか?

その結果、、、ジョンが期待してたほどうまくいかなかったってことなんじゃないでしょうか。

Yes It Is Take 1, 2 / The Beatles The Beatles – Yes It Is (take 13) John alone Yes It Is (take14) - The Beatles Rare Takes The Beatles-Yes It Is (Anthology Version)


【 関連記事リンク 】

【 各記事へは曲名をクリック 】

PAST MASTERS VOL.1

  1. Love Me Do (Lennon/McCartney)
  2. From Me to You (Lennon/McCartney)
  3. Thank You Girl (Lennon/McCartney)
  4. She Loves You (Lennon/McCartney)
  5. I’ll Get You (Lennon/McCartney)
  6. I Want to Hold Your Hand (Lennon/McCartney)
  7. This Boy (Lennon/McCartney)
  8. Komm, gib mir deine Hand (Lennon/McCartney)
  9. Sie liebt dich (Lennon/McCartney)
  10. Long Tall Sally (Enotris Johnson,Robert Blackwell,Richard Penniman)
  11. I Call Your Name (Lennon/McCartney)
  12. Slow Down (Larry Williams)
  13. Matchbox (Carl Perkins)
  14. I Feel Fine (Lennon/McCartney)
  15. She’s a Woman (Lennon/McCartney)
  16. Bad Boy (Larry Williams)
  17. Yes It Is (Lennon/McCartney)
  18. I’m Down (Lennon/McCartney)

4 thoughts on “Yes It Is

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